ライトウェルハウスができるまでのストーリー
建築家の視点 「青葉モデルハウスを考える#01」

BAUHAUS DESIGN(横浜)が、青葉モデルハウスを建築するにあたり設計を依頼した建築家 戸田悟史氏。
彼がどのように土地と向き合い、その弱点や盲点を分析し、
様々な制約を乗り越えて、コンセプトとなる「ライトウェル(光の井戸)ハウス」を導き出したのか、
その視点をリプレイしてみる。

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ライトウェルハウスができるまでのストーリー建築家の視点 「青葉モデルハウスを考える#01」建築家 戸田 悟史

BAUHAUS DESIGN(横浜)が、青葉モデルハウスを建築するにあたり設計を依頼した建築家 戸田悟史氏。
彼がどのように土地と向き合い、その弱点や盲点を分析し、
様々な制約を乗り越えて、コンセプトとなる「ライトウェル(光の井戸)ハウス」を導き出したのか、
その視点をリプレイしてみる。

敷地に対する建物配置

BAUHAUS DESIGNの青葉モデルハウスは、以下のような構想で建築計画がスタートした。

青葉モデルハウス構想

敷地見取図1・2
敷地見取図 [1] (左上)
青い線で囲まれた部分が敷地。南西方向が道路。南西以外3方向とも隣家に面している。
敷地面積:150.00m2(45.00坪) / 建ぺい率:40% / 容積率:80%
敷地見取図 [2] (右上)
黄色の矢印:日中の光が入ってくる方向。東南方向からの光を取り込みたい。
敷地見取図3・4
敷地見取図 [3] (左上)
敷地に対して建物をどう配置するか。北側に寄せて配置した方が東南側からの光を少しでも多く取り込むことができるのだが…この土地は、第一種高度地区で北側斜線制限があるため、「外観をスクエアにしたい」という要望を叶えることが難しくなる。
敷地見取図 [4] (右上)
北側斜線を回避し「外観をスクエアにしたい」という要望を叶えるため、敷地に対する建物の配置はあえて南側隣家に寄せることとした。
その代わりに、別の方法で南東方向からの光を取り込む工夫が必要となる。また、同時に、西陽対策も考えなくてはならない。

ライトウェル~光の井戸

ライトウェル見取図 / 断面図
ライトウェル見取図 (左上)
建物のファサードのイメージ…スクエアにしたいという要望…
西陽ケアを考慮し、唯一開けている道路側にあえて窓を設けないという発想に。
南西側には窓を設けずに、東南方向からの光は取り込みたいという矛盾ともいえるような問題に直面する。
東南角に光を取り込むための坪庭を考案。これが「ライトウェル*」である。
*『ライトウェル』:採光のためにつくられる中庭のこと。建物に吹き抜けのスペースを作り、その吹き抜けに面して窓をつくる建築手法。「光の井戸」という発想。
ライトウェル断面図 (右上)
北側斜線を回避し「外観をスクエアにしたい」という要望を叶えるため、敷地に対する建物の配置はあえて南側隣家に寄せることとした。
その代わりに、別の方法で南東方向からの光を取り込む工夫が必要となる。また、同時に、西陽対策も考えなくてはならない。
ライトウェル平面図1F
ライトウェル平面図1F
黄色の矢印は光の方向を表す。ライトウェルとリビングサイドの吹き抜け空間を通して1Fリビングの奥まで光を取り込むことに成功。

ライトウェル平面図2F
ライトウェル平面図2F
吹き抜け空間に面した2F階段ホールはもちろん明るい。

青葉モデルハウス立面図
青葉モデルハウス立面図
この土地は、南西方向に開けているのだが、その他の3方向は隣家に接している。
そのため、どの方向に大きな窓を設けたとしても、借景は望めない。プライバシーの確保もできない。
大きな開口や庭をつくったとしても、その活用度は限りなく低いと言わざるを得ない。
そのような土地の弱点、あるいは盲点ともいえるポイントをあえて逆手にとって、戸田氏は設計を試みた。

外には閉じていて、内に開けた家

「ライトウェル」を設けたことは、この家を『外には閉じていて、内に開けた家』にすることへと導く。
戸田氏の考案した坪庭は、光の井戸として採光の役割を果たすとともに「内なる借景」の役割も果たすことになるのだ。
西陽のケアや様々な制約を、斬新なアイデアで見事にクリアした戸田氏の設計。
こうして「ライトウェルハウス」は完成した。

ライトウェルハウス写真1
事実、モデルハウスに行ってみると実感するのだが、道路側からは窓がないため、中の様子は全く分からない。
しかし中に入ってみると、1Fリビングはとても明るいのだ。玄関ドアを開けると目の前に明るい吹き抜け空間が広がる。

坪庭に面した全面ガラスの吹き抜け空間はとても開放的で、窓から坪庭の木々の緑を借景として楽しむことができる。
プライバシーがしっかり確保されているのに明るく、とても気持ちの良い空間である。
その吹き抜け空間に設置された薪ストーブ。
ゆったりとした時間の流れを感じることができる坪庭側のチェアは、この家の特等席である。

ファサード写真
ファサード:右下の正方形の開口部がライトウェル。道路に面した南西方向にはあえて窓を設けない。
外壁写真
外壁:外壁の黒色ガルバリウムと対照的に、坪庭壁面は光の反射率を考慮し白色塗装仕上げ。
ファサード写真
坪庭の吹き抜け空間+室内の吹き抜け空間がつくる「光の井戸」。1Fリビングに光を届ける。

設計:建築家 戸田悟史 (トダセイサクショ 一級建築士事務所)

【 建築家のコメント 】 「家」を考えている人の良い相談相手、要望を叶えるコンシェルジュとして「イエ」をカタチにするためにセイサクのお手伝いをしていきます。また、思い描く夢を現実にするため、要望とデザインをまとめ上げ、土地の歴史や特性を考慮して、建物の「バランス」をとる設計をするよう心がけています。

Text by Kozue INAMURA(Mar. 2019)

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